家族信託なんて必要ない?

家族信託なんて必要ない?

新人くん

家族信託の意味や大切さは理解できてきたな。でも、家族信託は誰にでも、どんな家族にも必要なのかな? 必要ない人もいるのかな? そのあたりはどうなんだろう
新人くん、良いところに目を付けましたね! 家族信託は誰もが必ずしも必要になるものではないんです。今回は家族信託が必要ないケースをみていきましょう

山脇

新人くん

お褒めに預かり恐縮です! やはり家族信託が必要ないケースもあるんですね。読者の方のなかにはそういう方もいるかもしれません。ぜひ教えてください!

家族信託なんて必要ない?

これまで何回かに渡り、家族信託について説明してきました。
規制が少なく、自由度も高い家族信託は年々注目を集めています。でも、実はあまり必要がないというご家族もいらっしゃるのです。まずその1つ目のケースが「不動産や大きな資産を所有していない場合」です。

家族信託の大きな目的は「もし自分が認知症などで自分の意思を表明できなくなっても、資産や財産を家族に託しておくことで、そこから自分の生活費や介護費用などをまかなって欲しい」ということになるでしょう。不動産を所有していれば、それを家族が売却し、生活費や介護費に当てることも可能です。
ですが、それらは不動産や大きな資産を所有していることが大前提。もし、売却できるような不動産がない、貯蓄などの資産がないという場合は、家族信託をする必要はありません。

「不動産や資産を信じて託すのが家族信託ですもんね。確かに不動産や資産がないのなら、必要ないですね!そのほかにも必要ないケースはあるのでしょうか?」

そうですね。ほかに挙げられるのが「家族仲が良くない」というケースですね。
家族信託をすると、家族のなかの特定の誰かだけが財産管理をすることになります。なので、家族の仲が良くない場合は、親の財産を独り占めしようとしているなど、誤解される場合があるんです。そうなると、その後親が亡くなった後も遺産相続でさらに揉めるということが避けられなくなってしまいます。
それらを防ぐためには、家族信託ではなく、家庭裁判所と第三者が公平に判断する後見人制度を利用した方が良いと思います。

「なるほど。あとはたとえば、今は健康に何の問題もないという場合はどうですか? 家族信託はいらないのかなという気もするのですが…」

今現在健康で、認知症の兆候も全く見られず、体力も現役の頃と変わらないから、家族信託は必要ないとおっしゃる人もいます。でも本当にそうでしょうか? いくら健康であっても“もしも”のときは突然やってくるもの。高齢であれば、なおさらです。家族信託にはいざというときに備えるという側面もあります。なので、健康に問題ないことや、認知症の兆候が見られないことは家族信託が必要ないケースとは言えないでしょう。

弊所では皆さんからの相談も承っています。「私たち家族にとって家族信託は必要なのだろうか?」「このケースは必要ないんじゃないか」など、判断が難しいこともあると思います。弊所にご相談いただいたたくさんのケースを元に、皆さんにとって最適なスキームをご提案するのも我々の大切な役目です!

家族信託が必要ないケースもある

新人くん

不動産や資産を所有していない場合がそのケースに当たりますね。逆に言えば、不動産や資産があったらいつかは必ず必要になってきますね
不動産や資産がある場合も、家族が不仲な場合は家族信託より家庭裁判所と第三者が公平に判断する成年後見人制度が良い場合がありますね

山脇

MEMO
家族信託は、ご家族との関係性や健康問題が密接に関わってくる契約です。守秘義務のある法律の専門家にぜひご依頼されることを強くオススメいたします!