家族信託は自分でできる?

家族信託は自分でできる?

新人くん

そういえば、家族信託って専門家に頼まずに、自分で手続きをすることはできるのかな? もしそれが可能なら、費用も抑えられそうだけど…
新人くんのその質問にズバリお答えしましょう。結論から言うと、家族信託の手続きを自分でやることは可能です。でも、専門的な知識が必要なうえ、家族内の相続トラブルにつながるケースもあるため、かなり慎重になる必要があります。今回は家族信託の手続きを自分で進めることに焦点を置いてお話しましょう

山脇

新人くん

専門家にお願いするとしても、知っていて損はない情報ですよね。今回もよろしくお願いします!

家族信託は自分でできる?

家族信託の手続きを自分で進めることのメリットの1つは、家族信託の内容を知る人を最小限に留められるということです。

専門家には守秘義務がありますので、専門家に相談することに抵抗を持つ必要は本来全くありません。
でも、家庭内のこと、特に不動産や資産のことを家族以外の人に話すことに抵抗を感じるという方もいらっしゃいます。もう1つのメリットは、費用が抑えられるということです。
以前もお話しましたが、家族信託契約を専門家に依頼した場合、その報酬を支払う必要があります。もしも自分で手続きを進める場合は、こういった費用が一切不要なので、法務局に支払う登録免許税や交通費を合わせても10万程度です。費用だけを見ると、自分で手続きを進めることで圧倒的なコスト削減ができます。

「そんなに違うんですね! 頑張って自分でやった方が得な気がするなぁ?」

コストの面だけを見れば、新人君の言う通りです。
でも、家族信託は比較的新しい制度で、実務経験が豊富でないと専門家であっても、苦労するほど難しい手続きをしなければいけないことを忘れてはいけません。自分一人で進めるということは、一生懸命難しい手続きをやり通しても、それに何らかの問題があることを指摘してくれる人がいないということです。
そのうえ、それらの問題が表立って分かるのは、家族信託の委託者が認知症になるなど、自分の意思を表明できなくなったとき。つまり、家族信託がその力を発揮するときです。そのときになって、問題が発覚しても、委託者に判断能力がないので、取り返しがつかなくなってしまいます。

「それは、大変だ…。苦労が水の泡になってしまうんですね…」

将来のために契約をした家族信託が必要なそのときになって、その力を発揮しないとなれば大変なことですね。ですので、家族信託契約の手続きをご自身で行う場合は、ひとつひとつを慎重に進める必要があります。
ただ、繰り返しになりますが、我々専門家には守秘義務がありますので、安心してご家族の不動産や資産のお話をしていただけます。費用についても、莫大な額が必要なわけではありませんので、将来のためにも家族信託をお考えの際にはまずは専門家にご相談いただければと思います。弊所でも、皆さんからのご相談を受け付けております。ご家族によって、またその不動産や資産によって最適なスキームは変わります。ご家族お一人おひとりのより良い未来のために一緒に最善の方法を考えていきます!

家族信託の手続きは自分でもできるが…

新人くん

ハードルになるのは、専門家でも苦労するほど難易度が高い手続きということですね
問題があっても指摘する人がいないと正しいかどうかの判断ができません。苦労を水の泡にしないためにも、『まずは専門家に相談』がベストでしょうね

山脇

MEMO
家族信託は、ご自身のみならず、家族の人生設計をも左右する重大な契約です。ぜひとも信頼できる専門家にご依頼いただき、悔いのない選択をしてください!