「生活費が…!」家族信託をしなかったケース
新人くん
山脇
新人くん
「生活費が…!」家族信託をしなかったケース
人が亡くなると、その人名義の口座は凍結されます。
これは相続財産を守り、遺産相続のトラブルを防ぐためのものです。遺産分割が終わるまでは、家族であってもその口座への入出金はもちろん、送金や引き落としも一切できなくなってしまいます。
認知症を発症したときもこれと似たような措置が取られるんです。亡くなったときの口座凍結との違いは、自動引き落としに関してはそのまま継続できること。口座引き落としの公共料金や住宅ローンなどの支払いはそのまま継続されます。
認知症を発症したときの口座凍結は、「判断能力が低下し、意思表示ができなくなっている」と金融機関が判断したときから。もちろん認知症と診断されてもしっかりとした判断力があり、意思表示ができていればこの限りではありません。でも、そのときが突然やってくる可能性だってあるのです。
「親の口座が凍結されたらどうなってしまうんですか?」
自動引き落としはそのまま継続できるとしても、新たにお金を引き出せないのは大きな問題になります。
たとえば親の生活費。認知症を発症したとしても生活は続いていきますから、それを維持するためのお金が必要です。でも、口座からお金を引き出せないとなると、生活費にも困ってしまうということが起こり得ます。また、加えて親の入院や介護施設への入所などで大きなお金が必要になることもあります。そんなふうに、親の口座からお金を引き出せなければ、親の生活はもちろん、介護にも支障が出てくるかもしれません。
「生活費も引き出せなくなってしまうんですね…。口座凍結されてしまったら、どうすれば良いのでしょうか?」
その場合には、成年後見人制度を利用するのが一般的です。
そのためには、口座名義人の住所地にある家庭裁判所に法定後見制度の利用申し立て手続きをする必要があります。家庭裁判所の審査を経て選定された成年後見人が金融機関で手続きをすることで、凍結していた口座が解凍されます。その手続きには3~4ヶ月かかることもあるので、その期間中の親の生活費などは、建て替えが必要になるでしょう。
また、成年後見人制度には定期的な家庭裁判所への収支報告義務があったり、一度スタートしてしまうと途中でやめることができないなどのデメリットもあります。
「親の生活費はもちろん、介護のためにもしっかりとした事前の準備が必要なんだ。その選択肢の1つが家族信託なんですね!」
その通り! 事前に家族信託契約を結んでおけば、親の口座から親の生活費や介護に関わるお金を引き出すことができますので、慌てずに済むはずです。
今回は家族信託を契約しなかったら、どんな困りごとが起こるのかをお伝えしました。
生活費は絶対に必要なものですし、介護はお金がかかるものです。そのためにも、家族信託で「もしも」のときのための準備をしておくことをおすすめします。
弊所では、豊富な実務経験のある税理士と連携をしながら信託スキームを考えていきます。民事信託・家族信託に関するご相談は、ぜひ弊所にお任せください!
家族信託契約をしておくことで、もしものときの口座凍結を回避。
新人くん
山脇