家族信託普及協会ってなに?
新人くん
これまでいろいろな側面から家族信託を勉強してきて、家族信託が気になるようになってきたな。家族信託普及協会というのをみつけたんだけど、いったいどういう組織なんだろう?
よく調べましたね、新人君。家族信託普及協会は、家族信託を選択肢の1つと考えている一般の方への正しい情報提供と、信頼できる専門家への橋渡しを行っている団体です。今回は家族信託普及協会について説明しましょう
山脇
家族信託普及協会ってなに?
家族信託は、これまでお伝えしてきた通りまだ歴史の浅い制度です。でも、これからやってくる超高齢化社会のなかで、認知症をはじめとしたさまざまな理由で資産や不動産をしっかり管理したり継承することが難しくなる人が増えるはずです。そういったことからも、家族信託のニーズはこれからさらに高まると予想されています。
でも、歴史が浅いために事例も少なく、制度設計の自由度が高く無限の可能性があるゆえ、個々の希望や状況に合わせた設計の難しさがあるのです。今後知識の浅い専門家やコンサルタントが誤った提案をすることもあるかもしれません。また、この制度を悪用して、高齢者や障害者から財産を搾取しようとする個人や団体が現れる可能性もあります。そこで、家族信託に関する正しい知識・情報・使い方の提供、専門家の育成、政府への働きかけなどを中心に活動し、家族信託の普及と安心できる制度の確立を実現するのが家族信託普及協会です。
「そんな団体があるなんて心強いな。具体的にはどんな活動をしているんですか?」
家族信託普及協会の具体的な活動は大きく分けて4つあります。
- 一般の方々に制度を知ってもらう活動
「家族信託がどんな制度なのかを、一般の方に知ってもらうための告知活動として、セミナーの開催、パンフレットの作成、広告活動、雑誌への寄稿やマスコミ対応なども行っています。 - 専門家にノウハウや事例などを提供
基礎から実務までの研修会やeラーニング、活用事例の情報提供、各種専門家の紹介などで、まだ家族信託契約の実務経験が少ない専門家をバックアップしています。 - 協力体制づくり
実際に家族信託の手続きを進めるためには、多くの専門職の方の理解や協力が必要になります。
司法書士、税理士、弁護士、公証役場、法律や税務の専門家
銀行、証券、保険などの金融機関の担当者
不動産活用を提案されている企業の方
医療、介護関係の方
こういったさまざまな立場の方と連携を持ち、家族信託への理解を進めるベースづくりを行うのも家族信託普及協会の役目です。 - 正しく運用され、悪用されることがないようルールづくりや啓発活動を行う
家族信託が正しく運用され、悪意ある提案から家族信託を進めたいと思う利用者を守ります。家族信託の提案ルールづくり
一般の方々や専門の方々への啓発活動
各行政機関との連携
このように、家族信託協会の活動はさまざまです。北海道から九州まで日本全国で一般向けはもちろん、専門家向けのセミナーやイベントも開催しています。家族信託普及協会のホームページ(https://kazokushintaku.org)には、さまざまな情報が掲載されていますので、家族信託をお考えの方は一度のぞいてみると良いでしょう。
家族信託普及協会は、一般の方への正しい情報提供と、専門家の育成、それぞれの橋渡しを担っている
新人くん
一般の方向けのセミナー開催やパンフレットの作成等、広告活動やマスコミ対応などを通して広く家族信託について知ってもらおうと活動しているんですね!
今後、家族信託のニーズは高まる見込みですが、現在はそれに対応できる専門家が少ないのが現状です。研修会やeラーニングで実務経験が少ない専門家をバックアップしていく体勢をいままさに整えつつあるんですね
山脇
MEMO
さまざまなチャンネルで情報収集をするのと同時に、実際に会える距離感の司法書士等専門家と面談をもたれるのがオススメです。理解していたつもりのことが実は違ったというようなケースはよくある話です!