認知症になると銀行はこんな対応になる?
新人くん
山脇
新人くん
認知症になると銀行はこんな対応になる?
認知症だと診断されると、その人の財産を守るということを目的に銀行口座が凍結されてしまいます。
お金を引き出したりすることができなくなるので、生活費や介護費などに充てるお金がなくて困るというケースも多々あります。そこで頼りになるのが「家族信託」という制度です。
今回は、認知症になると銀行がどのような対応をするのかをお伝えします。。
銀行が認知症を理由に口座を凍結するのはこんなケース
- 認知症発症時に家族が銀行に告知し、口座を凍結してもらう
- 認知症になった本人の施設入所時にまとまったお金が必要になり、家族と本人が銀行にお金を下ろしにいった際に認知症が発覚し、凍結される
- 口座名義人が銀行に出向いた際、意思決定能力が著しく欠けていたり、認知症のような症状が出ていることに気づき、口座を凍結する
このように、想定されるケースはさまざまですが、3番目のように本人も家族も認知症とは気付いていない段階で銀口座を凍結されてしまうこともあるんです。
「昨日まで使えていた口座が突然使えなくなったらびっくりするし、その上その理由が認知症のような症状が出ているからだと言われたら本人も家族も驚くだろうな…」
銀行も意地悪で口座を凍結しているわけではありません。資産を守るということはとても大切なことですから。それでもやはり、突然口座を凍結されたら、新人くんの言う通り、びっくりしてしまいますね。ここからは、具体的な銀行の対応をみてみましょう。
認知症と物忘れはとても似ていますし、人は年齢を重ねればあらゆる機能が衰えていくものです。なので、ちょっと物忘れが多いからといってそれが認知症の症状とは限りません。たとえば、過去に経験した内容の一部が思い出せないのではなく、その体験自体をすっかり忘れてしまう場合、今まさに行なっている動作の目的を忘れてしまう場合などは、認知症の予兆かもしれません。具体的に見ていきましょう。
Aさん(80代)のケース
Aさんが娘さんと銀行へお金をおろしに行きました。ですが口座を凍結されていたため、お金をおろすことができなかったのです。その理由は、それより前にAさんが一人で銀行を訪れた日に、何度も暗証番号を間違えてお金を下ろせず、銀行員との会話もうまく成り立たなかったことから、認知症だと判断されたためでした。娘さんは「たまに物忘れはあるが、病院で認知症と診断されたわけではない」と食い下がりましたが、口座凍結の解凍がされることはありませんでした。
Bさん(80代)のケース
銀行へ訪れたBさんは、銀行員から別ブースに案内され以下のようなチェックを受けました。
「お名前を教えてください」「生年月日を教えてください」「今日の天気についてお話してください」「今日の健康状態はいかがですか?」など、ごく簡単なやりとりでしたが、Bさんは名前以外はきちんと答えることができなかったのです。30分程度のこれらのチェックを経て、Bさんの口座は凍結されました。
このように、本人や家族に「認知症」の自覚がなかったり、病院で「認知症」という診断がおりていなかったとしても、ある日突然銀行口座が凍結されてしまう場合があるのです。“もしも”のときは、ある日突然やってきます。そのためにも本人が元気なうちに資産や不動産について考えておくことが大切です。その先の選択肢の1つが「家族信託」。弊所では、さまざまなご家族の皆さんからの相談を受け付けております。
認知症になると銀行口座が凍結されてしまう
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